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家族信託

【家族信託って何?】――『一般人の枠に収まらない姉』が、弟と母に家族信託を教授する物語(前編)

女性と夕日①こんちには。行政書士安藤あつゆき事務所代表の安藤です。


これまでブログは当事務所のサイトとは別のサイトにアップしておりましたが、サイトのリニューアルに伴い、今後はこちらにアップしてまいります。


また別サイトにアップしていた記事のうち、生前対策(終活)関係の記事は順次こちらに移行してまいります。


本日はそのうち、2020年3月7日にアップした記事を(修正も加えながら)お届けいたします。


それでは、どうぞ♪

目次

家族信託を身近に感じていただきたい

当事務所は『オーダーメイド終活』を行っております。


オーダーメイド終活とは、『穏やかな老後』を過ごすための最適な終活方法を提案するものです。

その結果、「家族信託が最適」という方もいるのですが、「そもそも家族信託ってどういうものなの?」という方もまだまだ多いのではないでしょうか。

そこで本日は【家族信託って何?】と題し、なるべく多くの方に理解して頂ければとの想いから、物語形式でお送りしたいと思います。

※以下の内容は「行政書士安藤あつゆき事務所通信 2019~2020冬」と(ほぼ)同じ内容となっております。上記通信を受け取っておられる方には重複した内容となってしまいますが、何卒ご了承頂ければと思います。

それではぜひ、お気軽にお読みくださいませ!

母が終活を始めた

登場人物:母、長女A、長男B




--令和××年元日。

姉ちゃん(A)と僕(B)は母が一人で住む実家にそろって帰省していた。

今年は久しぶりに姉弟が同じ日に帰省したため(これまで帰省が重なることはほとんどなかったのだ)、僕たちの話題は自然と年老いた母の今後の生活に関するものになった。

「--そういえばさ、姉ちゃん。お父さんも数年前に亡くなったから今はお母さん一人で生活しているけど、この先もずっとお母さんが一人で住むのは実際、難しいと思わない?」

「そうね。お母さんも最近足腰が悪くなってきてるし、財布や預金通帳なんかも『どこにしまったっけ?』ってたまに言ってるしね。」

「へー、そうなんだ。じゃ今のうちから『終活』ってやつをしておいた方がいいのかもね。」

「うん。実はお母さんもこの間、行政書士が開催したセミナーに参加してきたみたいで、『終活を始めなくっちゃ!』って言ってたわよ。」

「お、それじゃちょうど家族3人そろっているし、いろいろ話し合ってみようか。」

家族で『お話し合い終活』を開始

--というわけで、僕と姉ちゃんはお母さんがいる台所へ向かった。
(母は用事があるなしに関わらず、台所にいることが多い。いわゆる、『落ち着く場所』なのだそうだ。)


母に終活のことを話すと「それは大歓迎!」とのことなので、早速3人でテーブルを囲む。

終活の方法はセミナーの行政書士が推奨していた『お話し合い終活』だ。

この『お話し合い終活』を行うことにより、預金通帳の場所を共有し、イザという時の延命治療をどうするかといった『アドバンス・ケア・プランニング(ACP)』についても家族で共有することができた。

そして話題がいずれ施設に入る時のことになると、母はこう切り出した。

家を売りたい?――出来ません!

「私が施設に入った時は多分家には帰れないだろうから、その時はお姉ちゃんとあんた(僕のことだ)でこの家を売ってくれるかい?」


「あ、そうだよね。うん、分かっ...」

僕が了承する旨を伝えようとした、まさにその時、

「ちょっと待ったー! 弟よ、母よ、ちょっと待つのだ!」

姉が突然、舞台女優のようなセリフで叫びだしたのだ。

「ど、どうしたの姉ちゃん?」

「ど、どうしたんだいお姉ちゃん?」

僕と母はそろってビックリする。

「家を売るのはいいんだけど、誰が家を売るの?」

と、姉が問いかける。

「誰が売るって、そりゃ僕と姉ちゃんで...」

「それは出来ません。」

家を売ることが出来ないの!

--出来ませんって何だ? やりたくないってことか?


いや、もしかしたら...

「まぁ確かに、姉ちゃんは自分の家族のこともあるし忙しいよね。--よし、分かった! それじゃ僕が一人で手続きをしてもいいよ。」

姉のことを思った提案をする僕。『なんて姉思いな弟なんだ !』と一人で余韻に浸るも、

「だから、それは出来ません。」

と、再び否定する姉。

「...あの、もしかして姉ちゃんは家を売るのに反対なの?」

姉の真意が不明なため、そもそもの前提を問いてみる。

「でも私が施設に入ると誰も住む人がいないから、そのままにしておくと空き家問題が生じてしまうんじゃない?」

と、ここで母が口をはさみ、

「そうよ! 誰も住まないのに、家を売らないでどうするのよ!」

と、姉も非難めいた口調で僕に言ってくる。

なんで僕が責められなくちゃいけないんだ!

「いやだって、姉ちゃんが家を売る手続きをしたくないみたいなことを言うから...」

「私は『売る手続きをしたくない』とは言ってないわ。『売ることが出来ない』と言ってるの。」

「売れない? それって買い手がつかないってこと?」

「そうじゃないの。言葉の通り『売ることが出来ない』のよ。」

そして僕のとった行動は...

――なんか話しが全然前に進まない。


こうなった時、姉への対処法は一つしか残されていない。

僕は一呼吸おいて、こう切り出す。

「ごめん。知能の低いこんな僕にも分かるように説明をして下さい。」

僕の低姿勢な態度を目の当たりにした姉は、

「仕方ない弟だなぁ♪ よし、この私が直々に、しかも分かりやすく話してあげようではないか!」

と、上機嫌になるのであった...





――(中編)に続きます。

※次回のお話しでは、姉がしつこく『売ることが出来ない』と言っている謎が明らかになりますので、ぜひお楽しみに!





本日の記事は以上となります。

最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

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