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事例3 ほぼ他人の身内と同居?

 登場人物 あなた、あなたの妻F、あなたの甥G (あなたとFは、普段Gと連絡を取り合っていない間柄)

 

 あなたとFには子供はいないが、何の問題もなく暮らしていた。

 

 やがてあなたが亡くなり、相続が発生。相続人はFとG。相続による遺産は土地と持ち家(1,700万円相当)、現金(300万円)だった。

 

 ※この場合の遺産金額2,000万円の割り振りは、Fが1,500万円、Gが500万円となります。手持ち現金が300万円なので、FはGに500万円を渡すことができません。
 この場合、Fが取る手段は2種類あります。
 @土地と家を売って現金を作り出し、Gに500万円を渡す。
 A今まで住んでいた家でGと一緒に暮らす。(あなたが亡くなると同時に、土地と持ち家は自動的に、「FとGが共有する」ということになってしまうため。)

 

 しかしFは、あなたとの思い出がつまっている家を手放したくない。かといって、普段から連絡を取っていなかったGと同居するというのも考えられない...

 

 

→最近は子供のいない夫婦というのも珍しくありません。

 

 そもそも子供がいない場合、相続人は誰になるのでしょうか。

 

 民法890条は、「被相続人の配偶者は、常に相続人となる」と規定しています。つまり、どのような家族構成であれ、配偶者がいれば、その配偶者は常に相続人となるのです。

 

 では配偶者の他に、誰が相続人になるのかといえば、民法887条1項は、「被相続人の子は、相続人となる」と規定し、まず子供が相続人となります。

 

 しかしこの事例のように、子供のいない夫婦はどうなるのでしょうか。

 

 そのことが民法889条に規定されています。

 

 889条1項「次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には(=ここでは子供がいない場合にはと同じ意味で大丈夫です)、次に掲げる順序に従って相続人となる。
 1号 被相続人の直系尊属(=ここでは親という意味で大丈夫です)。ただし、(...省略)
 2号 被相続人の兄弟姉妹

 

 889条1項は、子供がいない場合は次の人が相続人になりますよ、と書いてあり、1番目に親が相続人となり、親がいない場合、2番目として兄弟姉妹が相続人となると規定しています。

 

 以上をまとめますと、配偶者に加えて、@子供 または A親 または B兄弟姉妹
が相続人となります。

 

 通常は配偶者と子供が相続人(→@)、子供がいなければ配偶者と親が相続人(→A)、子供も親もいなければ配偶者と兄弟姉妹が相続人(→B)となるのです。

 

 しかし、今回の事例では配偶者と甥が相続人となっています。それではなぜ甥が相続人となるのでしょうか。

 

 実は、これも民法に規定されています。

 

 民法889条2項には、「第887条第2項の規定は、前項第2号の場合について準用する」と規定されています。

 

 この内容に関しての説明は割愛いたしますが、結果だけをいえば、あなたの兄弟姉妹があなたよりも先に亡くなっていた場合は、その子供(あなたから見て甥や姪)が相続人になるのです。

 

 今回の事例は、あなたには子供も親もおらず、また兄弟姉妹も先に亡くなっているという設定だったのです。

 

 ただし、今回のような事例は別に稀なことではありません。自分が亡くなるときに親のほうが先に亡くなっているというのは、年齢からいえば自然のことでありますし、また、自分が亡くなる年齢であれば、同世代の兄弟姉妹が亡くなっているというのもあり得ることだからです。

 

 それでは今回のように、普段から連絡を取り合っていない甥がいる場合、どうすれば相続がスムーズにいくのでしょうか。

 

 この事例に限っていえば、エンディングノートよりも遺言書の出番となります。

 

 なぜかというと、あなた、妻F、甥Gの三者で事前のお話し合いの場を設けて、「遺産はあきらめてくれ」とGに頼んだとしても、「わかりました〜」と素直に了承する甥はたぶん少ないからです。

 

 同居をあきらめさせることは簡単だと思います(向こうも知らない相手と同居はしたくない筈なので)。しかし、法定相続分の金銭(遺産の4分の1)を要求される可能性は大でしょう。

 

 そこで、「財産全部をFに相続させる(つまりGには1円も渡さない)」旨の遺言書を作成すれば、問題解決となるのです。遺言には法的効力がありますので、Gは何の文句も言えなくなります。

 

 もちろんこの場合でも、あなたとFとの間でお話し合いをしておくことが必要です。
(なんの説明もなしに遺言だけ残しておくと、Gから「俺には法定相続分の4分の1を貰う権利があるのだから、その遺言書は無効だよ」と言われ、「あら、そうなのかしら」と遺産を分け与える可能性もあるからです。)

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